Blog:カウンセリングへのためらい

カウンセリングを受けてみようか、とお考えになったときに、ためらわれる、迷われる方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ためらわれる理由のひとつに、カウンセリングがどのようなことをするところかイメージがつかめない、ということがありそうです。

イメージがつかないために、「カウンセリングを受けることでよけいに傷つくのではないか」、「相談することで自分を変えられてしまうのではないか」などの心配を語られるかたも多くいらっしゃいます。

このようなためらいは、ある意味で健康なものと言えます。自分の悩みや、「弱さ」と感じているところは語ることが難しいもので、人に打ち明けるのをためらうのは、自分の心を守るために必要な心の働きと言えるからです。

また「こんな相談内容で受けてもいいのか」という疑問を抱かれるかた、カウンセリングを受けられることを恥ずかしいと感じるかたもいらっしゃると思います。強い自分でいられないことを恥じる、という文化が、日本の中にはまだ根強いように思われます。

日本でのカウンセリング、心理療法の歴史は決して長いとは言えません。戦後アメリカ式の教育と一緒にもたらされたもので、一般の方に知られ、身近なものになってきたのは、1995年にスクールカウンセラーの導入がなされたことなどからではないでしょうか。スクールカウンセラーが全国の公立学校に派遣されるようになったのがやっと2008年です。

「人に話を聞いてもらうことを通して、自分の気持ちを確認する」ということ自体、まだ日本の社会の中に受け入れられていく途中なのかもしれません。

カウンセリングを受けることがどんな経験になるか、わからずに迷われる、ためらわれるのは自然なことです。

そのなかから、一歩踏み出していらして下さる方の気持ちに応えられればと考えております。

(T)